きほんはまる?

DQRTAについていろいろ書いていきます。こっちでは最低限のアウトプットには書かれない細かい話がメインです。

DQ五輪に参加しました

2020/7/18~8/2開催のDQ五輪にプレイヤーとして参加しました。

自分の結果

総合結果

2位

メダル獲得数

  • 金メダル: 6
  • 銀メダル: 6
  • 銅メダル: 1

種目別記録一覧

種目 記録 メダル
SFC版DQ1RTA 1:50:07
SFC版DQ1RTA (竪琴禁止) 1:36:29 銀メダル
SFC版DQ1RTA (竪琴・ドラル禁止) 1:44:13 銀メダル
SFCDQ1お楽しみRTA 0:32:21 金メダル
SFCDQ1世界の半分RTA 0:49:06 金メダル
SFC版DQ2RTA 3:44:38
SFC版DQ3RTA 3:14:19
SFCDQ3闇ゾーマ撃破RTA 3:48:17 金メダル
SFCDQ3しんりゅう撃破RTA リタイア
SFC版DQ3RTA (道具増殖あり) リタイア
SFCDQ3ノアニール復興RTA リタイア
SFCDQ3ロマリア王就任RTA 0:33:07 銀メダル
SFCDQ3すごろく制覇RTA リタイア
SFCDQ3レーベRTA 0:03:04
PS4版DQ3RTA 2:23:00 銀メダル
PS版DQ4RTA 4:17:23 金メダル
PS版DQ4オーリンピック 0:43:12
PS版DQ4RTA (リセット禁止) 5:04:38 銀メダル
PS2版DQ5RTA 6:18:23 金メダル
PS2DQ5エスターク撃破RTA 7:16:56 銅メダル
PS2版DQ5RTA (OT・スティックバグ禁止) 4:29:38 金メダル
SFC版ロトリレーRTA 8:40:04 銀メダル

種目ごとの戦略や感想など

参加した種目の中で、特別に戦略を練ったものや感想があるものだけを取り上げます。

SFCDQ1竪琴・ドラル禁止

SFC版DQ1RTAはいかに速くLv18に到達出来るかを競う競技なので、経験値プランを中心に考えるのが定石です。 走行前に一度ロケハンしながら、経験値稼ぎプランは下記のように設定しました。

  • ~Lv12: 先岩山Lv8ゴーレム->沼地ドラゴン
  • Lv12: リムルダール南のエンカウントID[TODO]で稼いで、はがねのよろいを購入
  • Lv13~Lv14: メルキド西のエンカウントID[TODO]で稼ぐ
  • Lv15~: 炎の剣購入後(ちょうど買える)悪魔の騎士を倒してロト鎧を入手後、メルキド南東エンカで稼ぐ。

Lv12だと先攻率や被弾可能数の関係からメイジキメラや影の騎士と戦うのは怖かったので、リムルダール南で上げるようにしました。

終わってみても下記の2つが疑問に残るところです。

  • Lv13~14の稼ぎをどこで狩るか?
    1. メルキド西のエンカウントで安定を取る (今回採用)
    2. メタルエリアで加速を狙う
  • 稼ぎで溜まったお金で何を優先的に購入するか?
    1. 鋼の鎧で回復時間&全滅リスク削減 (今回採用)
    2. 炎の剣で撃破速度向上

鋼の鎧購入は筋が良さそうだと思っています。炎の剣を優先的してもLv14到達くらいのタイミングになる上に、確定数が変わる敵がそんなにいません。それに対して稼ぎ場所の最適解は本当にわからないです。経験値期待値を調査するべきなのでしょうが、そこまで調査する時間は取れませんでした。

SFCDQ1お楽しみRTA

全種目の中で3番目くらいに真面目に準備しました。

結論から言うと、下記の戦術を取りました。

  • HP・MP型
  • 先岩山、死の首飾り回収
  • ガライの墓B1Fの宝物庫回収
  • マイラではがねのよろい購入
  • Lv7ドラゴン、聖水6個持参

竪琴を取ったら負けだと自分の中では思っていたので、竪琴を取らない方針で戦術を考えていきました。 また早い段階で34:02が暫定1位になっていたので、これを抜けるように安定度を調整していきました。

過去にスマホ版DQ1RTAをやっていた時に低レベルでドラゴン撃破をするためにあれこれ試行錯誤していた記憶を思い出して、大まかなレベルとドラゴン戦の装備、聖水・ギラ主体戦法を決定、それに付随するように戦力を調整していって残りの戦術は決まりました。 首飾り売却+Lv7までの経験値稼ぎ+ガライの墓B1Fのお金でちょうど鋼の鎧が買えるくらいのお金が作れます。

あとはギラが4,5発打てる中で3発当てる運ゲーに勝つだけです。

ちなみにLv8ドラゴン&ガライ墓カットでも同じお金とHPを確保しつつMPが3増えるのですが、試したところタイムが順調に行って34分くらいと遅かったので、没になりました。

SFCDQ1世界の半分RTA

前日に走っていたヌルさんのチャートをパクっただけです。Lv12ゴーレム+沼地ドラゴンで丁度Lv14になるのがキレイですね。メタル運も逃げ運も良かったので1位を取れました。それだけです。

SFCDQ3闇ゾーマ撃破RTA

チャートは勇者・戦士・盗賢・魔戦の盗賢フバーハ習得まで稼ぐ良くあるチャートですが、細かい数値系は調べて望みました。特に重要なのは下記の2つでした。

  • 賢者は賢さ62あればLv32でフバーハ確定習得(期待値成長&Lv32のレベルアップ時に博愛リング装備でほぼ届く)
  • 純戦はHP400になるまで稼ぐ(守備力145で 吹雪+攻撃 -> 波動+吹雪 -> 吹雪+吹雪 の最大乱数を耐えるために必要なHPが406)

直近で調査した確定習得条件が地味に活きて、調査したかいがありました。

力の種は下記の13個を回収して勇者に投与しました。

  1. アリアハン城宝物庫
  2. ポルトガ城宝物庫
  3. 人さらいのアジトB2F
  4. 海賊の家地下
  5. ジパング地下
  6. ジパング屋敷
  7. ラーの洞窟
  8. サマンオサ
  9. 幽霊船B2F
  10. ラダトーム西の港
  11. リムルダール
  12. 隠しダンジョン(ネクロゴンドの洞窟2F)
  13. 隠しダンジョン(ネクロゴンドの洞窟1F)

力の種投与によるゾーマ戦の短縮時間は下記のようになっています(1Tあたりの戦闘時間を15sとして計算しています)。

f:id:Maru0137:20200805213746p:plain
力の種1個あたりの闇ゾーマ戦短縮時間

力の種無投与時の豪傑勇者Lv35(王者の剣&豪傑の腕輪装備)の攻撃力期待値は316です。力の種10個目以降(攻撃力336以上)でも15s以上の短縮効果があるので、他の戦闘への影響も含めて考えれば積極的に回収するべきでしょう。ちなみに今回のプレイでは最終攻撃力346でした。

終始運が良く、見事1位を取ることが出来ました。ニコ生RTAWikiの1位記録より速いので、もしかしたら世界記録...?誰かこれより速い記録を知っていたら教えて下さい。

SFCDQ3すごろく全制覇RTA

全種目の中で一番真面目に準備しました!

戦術は下記の通りです。

  • 勇者豪傑
  • 勇者・戦士・盗賢・魔盗
  • 力の種の回収と投与は闇ゾーマRTAと同じ
  • 勇者はLv35程度まで上げる(調査プレイ時の結果からこのラインに設定)
  • しんりゅう戦は勇者のバイキルト鉄球攻撃と魔盗の王者の剣使用をメインのダメージソースにする

しんりゅう戦の装備と道具欄は下記のようになっています。(本来は勇者は勇者の盾を装備するつもりでした。)

魔盗 戦士 勇者 盗賢
N/A N/A 破壊の鉄球 N/A
光のドレス 地獄の鎧 光の鎧 水の羽衣
ドラゴンシールド ドラゴンシールド ドラゴンシールド 魔法の盾
銀の髪飾り グレートヘルム 不幸の兜 ミスリルヘルム
ヘビメタリング なし 豪傑の腕輪 星降る腕輪
王者の剣 賢者の石 世界樹の葉 賢者の石
賢者の杖 祈りの指輪
世界樹の葉
祈りの指輪

ダメージソースの手段としてまず考えられるメラゾーマについてですが、35Tの間攻撃のための手数を取り続けると仮定しても、実は1Tあたりのダメージ期待値は116.5程度とそこまで高くなりません。(タフガイ魔法使いLv36(Lv11~19は一匹狼で成長)の賢さ成長の期待値は74.7なので、初期値を加えると最大MPは160程度になります。これを元に祈りの指輪の使用まで含めて計算すると、先述のダメージ期待値になります)。最大HPの期待値は260弱なので、耐久面でも不安が残るのがネックです。

そこで魔盗の出番です。光のドレスの恩恵によって、SFCDQ3の最強職業の本領を惜しみなく発揮することが出来ます。主なメリットは下記の通りです。

  • 守備力が高い(上記装備で守備力240程度)ので、スクルトで固めた後は賢者の石1枚で足りる場面が多くなる。
  • 王者の剣が使用できるので、毎ターンMP0で期待値89.5のダメージを与える事ができる。
  • Lv30でMP130程度が確保できるため、スクルトバイキルトでMPが枯渇することがない。

スクルトを3枚程度入れた後は、魔盗と賢者は攻撃に回り続けます。魔盗・勇者・賢者の守備力が丁度230前後に揃うので、スクルト3枚程度で一番脅威になるのしかかりのダメージを丁度賢者の石で相殺出来るようにすることが出来ます。賢者の素早さも上限に近いので、先攻をある程度期待して緊急時のみに賢者の石を使えるようになるのも良い点です。しんりゅうの行動内容のブレを含めても、勇者の攻撃力が350程度あれば安定して35T以内で撃破することが出来ます。戦士が1人だけ守備力の低く安定面でボトルネックになっていたので、地獄の鎧とグレートヘルムを装備させて少しでも守備力を上げることにしました。

こうすることでメラゾーマより必要経験値を少なくすることが出来ます。

そして満を持して挑戦したすごろくRTAでしたが、雷により瞬停し五輪の記録としてはリタイアでした。悲しすぎる...

といっても自信もあって挑んだので五輪に関係なく再走しました。第4すごろく1抜け、第5すごろくも30分程度でクリアとすごろくの運が全体的に良く5:16:26という好タイムが出ました。ちなみに現世界記録らしいです。いやホントに瞬停したの悲しすぎる...

...あまりにも悲しかったのでUPSを購入しました。今回始めて真面目にUPSを調べたのですが、SFCの瞬停を避けるためには一番高い常時インバータ給電方式にする必要があるようで、その中でも手頃なオムロンのBA100Tを購入しました。

オムロン BA100T

オムロン BA100T

  • メディア: エレクトロニクス

手頃ですが税込価格¥121,000です、いや高ぇよ...。給付金と引き換えに、今後は記録ペース中に停電になる可能性に怯えずに思う存分RTAに集中することが出来ます。やったね!!

SFCDQ3ロマリア王就任RTA

実質的にはゲーム駅伝の1次予選と同じ競技です。31,2分くらいでクリア出来た記憶があるのですが、大会最終日に記録を見ていたら簡単にメダルを狙えそうなので挑戦しました。

PS版DQ4RTA

2章と5章コナンメタル以外はほとんど理想通りの運要素で、好タイムが出ました。

ここに書きたいのはルールについてです。今回は第10回PSSWDQRTAリレーのルール準拠だったのですが、実質的には欲しい初期乱数を狙う目押しの競技に(少なくとも自分の中では)なっていました。意図的な乱数調整を制約した結果、初期乱数を狙う目押しを狙うゲームになったのでは意味がないので、ルールについてのブラッシュアップは必要そうだと今回のプレイを通して改めて実感しました。そもそも、このルールは今回のPSSWDQRTAリレーの走者の予定戦略を前提に設定されているはずで、例えばエンドール狩りが出来なくなるようなルールの文言になっているので、このルールを汎用的に適用するのも推奨出来ませんね。

PS2版DQ5TA(OT技、スティックバグ禁止)

全種目の中で2番目に真面目に準備した種目でした。

通常レギュレーションとの大きな差は増殖技が使える点になります。まずはざっと考えて、

  • 仲間加入率1/2
  • 青年期前半開始直後に加入
  • 刃のブーメラン装備可
  • キラーピアスによる高火力

という点から、スラリンをエースに添えるところまではすぐに決まりました。後半にずっと賢者の石を使う役が1人は必要になるので、これに初期ステータスが高く種投与が不要なサンチョをアサイン。あとはブオーン戦で回復出来るピエールを思考停止で採用しました。

最初のロケハンでは過剰に増殖して進めた所、クリアタイムは5時間ちょっとと想像以上に増殖技に時間がかかることがわかりました。そこで必要最低限なステータスラインを再考した上で、レベルアップによる成長値を最大限活かすために成長限界値を踏まえた種・木の実の投与をするように変更して、必要な増殖数を最低限まで減らしました。こちらも直近調査した成長限界値の調査が活躍しました。ちょうどこのあたりのタイミングで2012年五月祭でイリアスさんが挑戦していたのを発見したので、この戦略も取り入れてブラッシュアップ。再度ロケハンしたところ戦力的にOKだったので、あとは細かい点を最適化&練習して本番に臨みました。

最終的に、増殖アイテムの一覧は下記の通りになりました。

  • ちからのたねx160
    • 主人公: 最初にx11、追って適宜限界値に引っかからないように投与
    • スラリン: x124 (力255になるまで)
    • 売却: x6
  • すばやさのたねx54
    • 主人公: x18
    • スラリン: x16
    • ピエール: x20
  • いのちのきのみx110
    • 主人公: 最初にx8, グランバニア到着直にHP300になるまで投与(x24)
    • スラリン: 最初にx7, サラボナ到着前にHP300になるまで投与
    • ピエール: 最初にx8, グランバニア到着前にHP250になるまで投与(x20)
  • みずのはごろもx40
  • せかいじゅのはx8
  • エルフののみぐすりx4

全体的な感想

1位を取れなかったのは悔しいところですが、まあまあな結果は残せたのかなと思います。。DQ3の結果が全体的に悪かったのが残念かつ辛かったところですね。一方でPS作品の通常RTAは満足な結果で1位を掻っ攫えたので、そこは個人的に嬉しいところでした。

裏話になりますが、今回はちゃんとしたRTAの競技に絞って走行していました。自分はRTAプレイヤーであるのと、首飾りやレーベRTAみたいな完全運だめしの競技で勝ったとしても何も嬉しくないというのが理由です。といっても最終日は総合優勝に目がくらんでいくつか博打に手を出しましたが....

普段はプレイしないような特殊なレギュレーションを考える機会になる良い大会でした。運営の方々や見ていただいたリスナーのみなさま、ありがとうございました。

今後はPS版DQ4RTAの記録狙いをする予定です、乞うご期待!

PS2版DQ5お使い企画参加記

2020/7/12(日) に開催された、PS2DQ5お使い企画に走者として参加しました。結果は1033点で、めでたく優勝することができました。

事前準備

直近で開催されたSFCDQ5のお使い企画を見て参加したい欲が高まっていたので、募集開始直後に参加表明をしました。 参加表明をしたのが2020/6/8だったので、約1ヶ月間の準備期間があったことになります。 ちなみに、この時点では日時以外の情報は完全に未定でした。

概要発表前の準備

自分は過去に下記のお使い企画に携わっていたので、頻出の出題傾向とその対策はおおよそ把握していました。

  • 第1回SFCDQ3 (走者)
  • 第2回SFCDQ3 (テストプレイ)
  • 第3回SFCDQ3 (テストプレイ)
  • PS版DQ4 (作問)

モンスター討伐課題

ニフラムや風神の盾で敵を消しても「まもののむれをやっつけた」と表示されてしまうことは、調査プレイの時点で把握していました(カジノ非使用のはぐれ狩りでも目に出来ると思います)。このことから、おおよそ次のことが予想出来ました。

  • ニフラムを使用できるキャラの需要は無い(特にスラリン)
  • ランダムエンカウントを対象に出題される可能性がそもそも低い
  • 固定出現かボス(即ちストーリー進行問題)が指定される可能性が高そう
  • 期間限定モンスターは抑えておく必要がありそう

とはいえ、不安だったのでランダムエンカウントの対策はすることにしました。エンカウント率を調査した偉大なサイトは既にあるのですが、今回の場合は「単一グループまたは単体エンカで最も出現する可能性が高いのはどのエリアか?」というのを把握しておく必要があり、このサイトの情報では不十分だったので、エンカウントテーブルとエンカウント決定処理を調査しました。

幼年期限定のモンスターに関してはすごろくを使えば遭遇できる可能性があるので、こちらも実地調査しました。青年期前半終盤になっているであろうLv14あたりは幼年期限定のモンスターが多い氷の館~古代の洞窟あたりのモンスターが出現するので、もし出題されるとしたらこのタイミングですごろくに行くことになるだろうと考えていました。ただ実際やってみるとエンカウント構成を含めてかなり運要素が高かったので、出題される可能性はかなり低いと見込んでいました。青年期前半限定は海で出現する4種が該当するので、これらのモンスター名は抑えておきました。

アイテム収集課題

おなじみのアイテム収集課題です。作品特有の要素に関連して出てきそうなお題は下記辺りでしょうか。

  • ちいさなメダルの枚数、及びその景品
  • すごろくけん、ふくびきけんの枚数
  • 名産品の指定、または名産品博物館のLvまたはポイントの達成
  • すごろくで手に入るアイテム

回収限定アイテムに関しては、いつものように通常RTAに各アイテムの回収を組み込んだ上で最適化したチャートを組んで練習していました。名産品博物館については、出題にあたって良いラインになりそうなLv4達成のための名産品配置を作っておきました、エルヘブンまで到達出来れば達成できます。

アイテム欄の配置問題については全アイテム名をMarkdownファイルに保存しておいて、正規表現で検索出来るようにしておきました。これは本番でもとても役に立ったので準備しておいて良かったです。しりとり問題もプログラムを組んで対策してあったのですが、こちらは日の目を浴びることはなく少し残念でした...

ステータス達成課題

こちらも頻出の問題。PS2DQ5の全Lvについての正確な成長テーブルと成長値決定のアルゴリズムの情報は自分が検索した限りではどこにも無かったので、自力で全仲間キャラクターの成長テーブルを調べることにしました。あとはこれを元に、指定されたステータスを達成するためのキャラクターとレベルを検索出来るようにしておけば事足りるであろうとの考えでした。こちらも本番で役に立ったので、準備しておいて良かったです。

メッセージ問題

モンスター討伐課題が作問しにくい分、こちらが出る可能性が高そうだなと見込んでいました。SFC版の全テキストデータは手元にあったのでそれで検索出来るとして、PS2版で追加されたテキストデータをどれだけ調べておけるかが重要でした。こちらはさすがに解析する気力が残っていなかったので、調査プレイで抑えることにしました。本の内容はPS2版でかなり追加されている上に、その内容も面白いものが多かったので、重点的に抑えていました。にも関わらず本番で1問見逃してしまったので、勉強不足でしたね。

仲間モンスター問題

DQ5ならではの問題ですね。取り敢えず全モンスターについて下記を調べておきました。

  • 一番低い主人公のレベル(同時に一番早い進行度)で仲間に出来る場所
  • 最も出現率が高い場所

また、「せっかく課題のために仲間にしたモンスターを有効活用してクリアしてね」という作問の意図が同時に含まれる可能性も高いです。とはいっても、仲間にすることを前提にしても良いのはせいぜいツモ率1/4以上のモンスターだけだと思うので、これらについては特にピックアップして簡単に戦術を考えておきました。並べてみるとやはりヌーバが一際光っていたので、ヌーバチャートは2回くらい練習しておきました。

すごろく問題

ゴール景品、途中のマスで拾えるアイテム、よろず屋で購入できるアイテムなどが指定される可能性が高いので、一通りプレイしておきました。過去のDQ3での経験からも、どれくらいの確率でゴールできるかを把握しておくこともとても重要です。

概要が発表された後

2020/6/28に企画の概要と事前データの条件が参加者向けに公開されました。青年期前半開始時からスタートでプレイ時間が5時間であることもこの時点で公開されました。

ルールの穴に気付く

事前データの条件を読んですぐに、銀行のお金とカジノのコインに関する指定がないことに気が付きました。データ作成の報告時にゲーム画面のスクリーンショットを送る必要があったのですが、全員のつよさ画面(どちらもこの画面で確認できる)はスクショの指定に無かったので、最大限活用させてもらうことにしました。一瞬は大人気なさからのためらいが頭をよぎりましたが、勝負である以上勝てるための最大限の努力をするのが定石なので仕方ないですね。直近開催されたSFCDQ5のお使い企画ではこのあたりを詳細に指定して妨げてあったにも関わらず今回は記述されていなかったので、それも自分の中で実行を決断する後押しになっていました。

カジノ技使用RTAの練習

そんな経緯でこのお使いRTAは実質的にカジノ技使用のレギュレーションと化したので、カジノ技使用RTAの練習を始めました。企画概要が発表されてからの準備のほとんどはこれに時間を費やしていたと思います。これまでカジノ技使用RTAの経験が全く無かったので、ping値さんのチャートを参考にさせていただきました。そこからの相違点は下記のような感じです。

  • 先ピエ前提 (カジノ技非使用に比べて先ピエツモのリスクがかなり低い & ボロンゴを加入させない分ピエの素早さが重要になるため)
  • ボロンゴは加入させても良いようにする(お題によって加入ロスが殆ど無くなる場合があるので)
  • 交換景品の内訳は当日の流れで決める

当日の様子

本番当日の調査時間

予想より課題数がかなり多かったというのがお題発表時の第一印象で、問題を把握するだけでもかなり大変でした。 全体を眺めて、進行度は天空城浮上あたりまでに設定。ボロンゴ禁止についてはカジノ有りのおかげで特に痛手はありませんでした。

1. モンスター討伐系

前3問から進行度を優先するのが大事そうかなという印象。 ランダムエンカ系(ドラゴンゾンビ、マムー)はそもそも出現するエンカウントテーブルが少なかった(ドラゴンゾンビは2箇所, マムーは1箇所)ので、狩り場所も即座に決定出来ました。

2. アイテム収集系

ひとカネやきにくと杖6種類はアイテム一覧を正規表現で検索してピックアップ。事前の準備がとても活きました。 他は全部分かっていたので、アイテム収集系については特に不安はありませんでした。

3. メッセージ系

これが一番調査が重かったです。調査時間中の判断は以下のような感じ。

  1. SFC版のテキストデータから最果てのほこらであることがすぐにわかった。
  2. 同上 。
  3. コリンズイベント時のタバサのセリフかなという予想のもとググったら大百科でヒットしてビンゴ。
  4. これはググっても出てこず、完全にお手上げでした。
  5. 山奥の村かなというあたりをつける。
  6. 名産品周りの調査時に見ていたのでわかった。一覧を見てシルクのヴェールが必ず手に入るのでこれに決定。
  7. これもググったら大百科でヒットして分かった。
  8. これは知ってた。
  9. 取り敢えずはお手上げ。
  10. 直近のSFCDQ5のお使いでも出題されたので分かる。

4. ステータス系

  1. ステータステーブルを検索した結果、娘Lv18が一番確実そうという見込み(このときは木彫りの女神像に気付いていなかった。)
  2. 同上、瞬時にザイルがヒット。
  3. テルパドールにいきま〜す。

5. 仲間モンスター系

5.2は得点効率が高かったので、達成優先度は上がるだろうという見込みでした。ちなみに僕は得点換算を勘違いしていて、2種達成で10点、3種達成で20点、4種達成で30点だと解釈していました。実際はこれより高い配分だったので、もっと優先度を上げるべきでした。

6. すごろく

カジノ船までは現実的な確率でゴールできるのを知っていたので、クリアしておきたいなという印象。

7. カジノ

知らん、運要素も絡むので後回し。

8. その他

  1. すぐにクリア可能。
  2. ググって調べる、調べると娘が装備可能だったので装備者含めて決定。
  3. ググって調べる。
  4. アイテム名一覧から検索してピックアップ
  5. ググったらゆうれいせんちょうがヒットして、「あ、青年期前半限定だな」と瞬時に把握。ただエンカウントテーブルを調べてみると単一でのエンカ率は1/15とかなり低かったので、狙うつもりはあまりありませんでした。

実際のプレイ

青年期前半

まずは銀行から99万Gを引き出して8.1達成。続いてカジノの景品交換、今回は想定進行度と相談して下記のアイテムを交換しました。

防具を固めてアプールとピエールのツモ開始。アプールツモ中にマッシュが起き上がったので、4人目が自然に補填出来てとても助かりました。先行逃げ要因が増えるのはとても大きいです。

サンタローズの洞窟ではメタルスライム1匹を撃破。道中でスライムとブラウニーを加入。脱出時に8.4達成に必要だった「サンタローズの石」を回収。

サンタローズの洞窟攻略後、3.2達成、レベルアップロスの削減、マッシュの武器(刃のブーメラン)購入のため一度オラクルベリーに寄りました。

ラインハット到着時に2.7達成に必要な鉄の杖と、8.4に必要な毒針を購入。

その後は進行度を優先しながら道中でメダルと名産品を回収していきました。3.4が全く分からず、神の塔内で達成できる期間限定課題だったらどうしようと不安になりつつも進行。

ひとくいばこは魔物の住処に行くにはロスが大きいのと、順位点がそこまでないので様子を見つつロスが少ないグランバニア山の洞窟で撃破することに仮決め。実際に住処にいったのはみるきぃさんだけだったので、グランバニア洞窟撃破でも2位で達成することが出来ました。

ルラフェン道中でドラキー加入。ルーラ習得後に3.7を達成し、暖簾購入のついでにオラクルベリードラキーを預ける。

サラボナ到着前にベロゴンがにおいぶくろをドロップ。2.5のアイテムにピックアップしていたので、購入時間が省けて地味にラッキーでした。

溶岩原人戦でけったさんを進行度で抜き、1位になりました。溶岩原人後にリレミト習得。滝の洞窟へはちゃんとビアンカを連れていきました。葉っぱは大量にあるので、道中で死んでも全く問題はありません。後で各走者のプレイを見返していたら、けったさんが「俺は葉っぱ持ってるから安心。Maruのビアンカ○ね!」「あっ、アイツも葉っぱあんじゃねえかよクソが!」と言っていたのが個人的なツボでした。

チゾットへの山道へ向かう途中でゆうれいせんちょうx1と遭遇。先攻で撃破したので、仲間を呼ばれることもなく無事撃破することが出来ました。今日に限っては良いエンカ!

プレイ中に3.9のメッセージがラインハット地下で聞けるセリフ周辺にあることを確認したので、青年期前半終了前に地下に行きました...が見つけられなかったので、この問題は捨てました。デモンズタワーで恐る恐る焼かれた頭蓋骨を調べるも「特に変わったところは無いようだ」と表示される始末。

ジャミ撃破は2:50:28。約2時間を残して青年期後半に突入しました。

青年期後半

イベント中に後半のプランを考えて、まずは天空城浮上まで進行度を進めることに決めます。そうすると残りが1時間ちょっとになるので、その時間でお題を次々クリアしていくプランです。4.1のために娘のLv上げが必要なので、爆弾石or爆弾アプールで道中で経験値を若干稼いでいくことを決めました。

操作開始直後はステテコパンツに気を取られたのといつもの癖で即闇のランプを使用してしまい、爆弾石の購入を忘れます。その結果海の神殿でしびれくらげx8が4エンカも出たのでちょっともったいない気分でした。

3:46:25で天空城浮上。進行度は進めきったので、ここらへんから残っているお題を片っ端から達成していって、終了という感じでした。 3.5の回収のためにチゾットへ向かっている途中で木彫りの女神像の運の良さ+15を思い出して、娘に装備させて無事達成。このお題は全走者の中で唯一自分のみが達成することが出来ました。

特筆することとしては、残り時間10分程度で妖精界のすごろくに行ったり、聖なる原石を回収しにいったり、ヌーバツモを狙いに行ったのは悪手でしたね。おばけキャンドルツモを狙いに行くのが正解だったと思います。

感想

ルールの穴を突いて大きいアドバンテージを得ておきながら負けたらシャレにならないので、まずは優勝できて良かったです。

銀行・コインのアドバンテージはやはり大きかったと思います。純粋に進行が速くなるのはもちろん、ボロンゴの代わりの戦力や6万Gの準備などを全く考えなくていいのは、プレイ中の思考リソースの削減の面でも恩恵は大きかったです。あとはマッシュが起き上がってきてくれたのはかなり大きい助けになりました。

とはいえ単純にズルだけで勝ったわけでもなくて、過去大会参加の経験と事前の準備もちゃんと活きていたかなと思います。調査や当日の検索準備などで、地味なITスキルを活用した恩恵もありました。前回の参加は3年以上前なので、3年間の社会人生活で技術力()も若干向上したのかなということで前向きな捉え方をすることにします。

一方で、完全にお手上げだったメッセージの2問は悔しかったですね。勉強不足でした。

また今回を機にカジノ技使用のチャートを初めて触ったので、RTAとしてもプレイしてみたいですね。やりたいことが多すぎる...

作問と企画頂いたがくしんさん、企画・開催をサポートしていただいたPSSWリレーの運営の方々やお手伝いの方々、対戦相手のお三方、そしてリスナーのみなさま、楽しい大会をどうもありがとうございました!やっぱりお使いは楽しいですね!

事前データの条件について

今回の企画で大きいトピックスになることは避けられないと思うので(自分のせいですが)、自分の見解を記述しておきます。

今回の企画に限って言えば、ミラーを見ていると「運営も一応想定はしていた」ような発言があったので、厳しいことを言うようですが、純粋に文章力不足が原因だったと思います。自分がプレイ中に銀行やカジノを利用したときに、事前データ作成の条件時の文章からルールへの抵触への精査をしていたようですが、あの文章では「銀行とカジノを利用してはいけない」という言及をすることは明らかに不可能です。先述しましたが、直近開催されたSFCDQ5のお使い企画では詳細に記述されていただけに(それでもひかりのドレスを大量準備したり、ビアンカのLvを上げていたりというケースがありましたが)、今回の大会で唯一残念だったところでした。

次に一般的なケースについての話です。まず事前データの利用の是非についてですが、長時間作品では競技性を確保する観点から利用するのを考えないわけにはいかないと思います。

次に事前データをどう用意するかについてですが、下記の2つの手法が選択肢となるでしょう。

  1. 事前データを運営が作成し、事前にROMやメモリーカードを配布しておく。
  2. 今回のように、各プレイヤーに作成してもらう。

公平さの担保の面では1が良いでしょうが、本番までにセーブデータが消える場合などを考えると、これも完全な対策とは言えなさそうです。

とすると、愚直ではありますが、下記の2つの事項をしっかりとやるしか無いかなと思います。

  • 事前になるべく多くの人数でデータ作成の条件とその文章についてしっかりレビューしておいて、想定の漏れがないか確認する。
  • 事前データの確認事項を増やす。例えば今回でいえば、全員のつよさ画面のスクリーンショットを共有するようにすれば防げたはず。

今企画を受けて注釈を付けることで回避する案も出ているようですが、そもそも運営への確認をするかどうかは個人の認識に完全に依存している上に(つまり、そもそもルールの穴だと思わなかった時には何の効果もなさない)、プレイヤーにとって不利益が大きすぎるので個人的には否定的な見解です。

宣伝

2020/7/19(日) 10時からRTARacingさんのチャンネルをお借りしてPS2DQ5カジノ技非使用RTAの並走を行います。

  • 走者1: ping
  • 走者2: Maru
  • 走者3: けった
  • 走者4: がくしん
  • 解説: BANRI, アジー

走者・解説ともに豪華メンツでお送りします、是非ご覧ください!

Appendix

準備の過程で得られた下記データを公開します。

SFC版DQ2 はぐれメタル1+ホイミスライム4のはぐれメタルのHP決定について

SFCDQ2並走部で話題になっており、独自に調査していたのでそのまとめ。
ch.nicovideo.jp

結論としては、はぐれメタル1+ホイミスライム4出現時のはぐれメタルのHPは、ほとんどの場合で4となるが、極めて低い確率で5となる場合もある」となる。

1. SFCDQ1・2における乱数生成処理

SFCDQ1・2における乱数生成処理は、Kriさんが述べているように計算式としては以下のようになる。
DQ1,2(SFC)乱数生成について

R_{n+1} = R_n * 3 + 0{\rm x}3549 + $7e0067

ただし上記ページでも述べられている通り、0x3549の加算時に発生したcarryは乱数の上位16bitには加算されず、その後の$7e0067の加算時に下位16bitに加算される仕様となっている。$7e0067の加算時に発生したcarryは正しく上位16bitに加算される。

このように数式だけで処理を正確に表現し切れないので、C++による再現ソースコードを提示する。
上記留意点に注意した上で、乱数生成処理を再現したソースコードが以下のようになる。
(add_with_carry関数は引数と返り値を__builtin_add_overflowに揃えるべきかとも思ったが、今回はこちらの方が都合がいいため下記のように定義した。)

#include <cstdint>

uint16_t add_with_carry(uint16_t a, uint16_t b, bool *carry)
{
  uint32_t ext_ret = a + b + static_cast<uint16_t>(*carry);

  uint16_t ret = static_cast<uint16_t>(ext_ret);
  *carry = static_cast<bool>((ext_ret >> 16) & 0x1);

  return ret;
}

uint16_t dq12rand(bool ret_16_t = false)
{
  static uint32_t rand;
  static uint16_t frame;
  // Assume little endian.
  static uint16_t *rand_upper = reinterpret_cast<uint16_t*>(&rand) + 1;
  static uint16_t *rand_lower = reinterpret_cast<uint16_t*>(&rand);

  uint16_t ret;
  bool carry = false;

  rand *= 3;

  *rand_lower = add_with_carry(*rand_lower, 0x3549, &carry);
  *rand_lower = add_with_carry(*rand_lower, frame, &carry);
  *rand_upper = add_with_carry(*rand_upper, 0, &carry);

  ret = *rand_upper;

  if (!ret_16_t) {
    ret &= 0xff;
  }

  return ret;
}

2. エンカウント内容決定処理

エンカウント内容決定処理は、下記サイトで述べられているアルゴリズムで行われる。
DQ2(SFC)系小ネタ集:後でできない事を知らせるゲーム攻略サイト

ロンダルキア6Fにおけるエンカウント内容決定は、以下のようになっている。

  1. SR$0BA550をcallし、2Byteの乱数を得る。
  2. 乱数を0x10で割った剰余が0xfの場合はぐれメタル1+ホイミスライム4が出現する。

再現ソースコードは以下のようになる。

uint16_t r = dq12rand(true) % 0x10;

if (r == 0xf) {
  // はぐれメタル1+ホイミスライム4出現
} else {
  // その他のエンカ
}

つまりRが0xXXXfXXXX(X : Don't care)になる場合、はぐれメタル1+ホイミスライム4が出現することになる。

3. はぐれメタルHP決定処理

ロンダルキア6Fにおいてはぐれメタル1+ホイミスライム4が出現する場合、はぐれメタルのHP決定は2章のエンカウント内容決定処理における乱数生成の直後の乱数生成によって行われる。

  1. SR$0BA550をcallし、1Byteの乱数を得る。
  2. 乱数を0x8で割った剰余が[0x0, 0x3]の場合はHP:=5、 [0x4, 0x7]の場合はHP:=4となる。

再現ソースコードは以下のようになる。

uint16_t hp;
uint16_t r = dq12rand() % 0x8;

if (r < 0x4) {
  hp = 0x5;
} else {
  hp = 0x4;
}

1Byteの乱数を得る場合、$7e00e2の1Byte値が乱数となる。

4. はぐれメタル1+ホイミスライム4出現時の乱数の挙動

2,3章の仕様に沿って、はぐれメタル1+ホイミスライム4出現時の乱数の挙動を追ってみる。

  1. 2章より、はぐれメタル1+ホイミスライム4が出現する際にRの取り得る範囲は[0xXXXf0000, 0xXXXfffff]となる。(以下Rの上位12bitは結果に関係しないので、全てDon't careとする。)
  2. その直後にはぐれメタルのHP決定のための乱数生成が行われる。まず乱数式中の最初の計算となる3の乗算によってRの取り得る範囲は[0xXXXd0000, 0xXXXffffd]となる。
  3. 続いて0x3549の加算が行われるが、この時のcarryはRの上位2Byteに加算されないため、Rの取り得る範囲は[0xXXXd0000, 0xXXXffffd]となる。
  4. 最後に$7e0067の加算が行われる。$7e0067の取り得る範囲は[0x0, 0x4ff]であり、この計算 時のcarryはRの上位2Byteに加算されるため、Rの取り得る範囲は[0xXXX00000, 0xXXX004fc]と[0xXXXd0000, 0xXXXfffff]となる。
  5. このRがはぐれメタルのHP決定時の値となる。この時、$7e00e2の下位4bitは0xd, 0xe, 0xf, 0x0の4通りとなるため、0x8で割った剰余は0x5, 0x6, 0x7, 0x0の4通りとなる。

5. はぐれメタル1+ホイミスライム4出現時のHP5はぐれメタルの出現率

はぐれメタルのHP計算時に$7e00e2の下位4bitが0x0となるのは、乱数生成式の乗算時のcarryが2かつ$7e0067の加算時のcarryが1である場合であるので、極めて稀なケースとなる。
はぐれメタル1+ホイミスライム4出現決定時の乱数値とはぐれメタルのHP決定時の$7e0067の値の生起確率はそれぞれ同様に確からしく、かつ独立であることを前提にすると、はぐれメタルのHPが5となる確率は0.3248%となる。
よって、剰余が0x5, 0x6, 0x7の場合がほとんどであり、この場合にはぐれメタルのHPは4となる。

埼玉大学第66回むつめ祭 PS版DQ4お使いRTAを終えて その3

 一週間前くらいにノートPCを買い換えました。父親の影響もありずっとVAIO信者だったのですが、今回とうとうMacに手を出してしまいました。
 購入したのはMacBookPro13Retina 2015Earlyで、少し使って思ったのは

といったところでしょうか。まあ前使っていたのはVAIO Pro 13 だったので、それに比べたら重いのは当然なのですが...
前みたいに一々開発のためにUbuntuを起動することもなくなったので、今のところは快適です。

 さて、本題のお使い後日記第3弾。第2弾に引き続き各問題について作問の裏話や当日の様子を書いていきます

4.2. 討伐課題

 これまたお使いRTA定番のモンスター討伐課題。2回のDQ3お使いRTAの経験から、問題の条件として慣例的になっていた以下の3点に気をつけて問題を考えていきました

  • 普段倒さないボスを撃破させたり、普段行かないフィールドエリアやダンジョンに行かせる。
  • 固定出現で戦える雑魚敵を抑えているかどうかを確かめる。
  • 討伐課題を通して必要進行度を間接的に設定する。

 また達成条件の「まもののむれ」表示は無効というのも慣例的にそのようにしました。まあその方が面白い課題もあったからなのですが(笑)。

4.2.1. つかいま

 実は最初は問題案に無かったのですが、4章で取り組む課題が何もないという指摘を御茶さんから頂き、では4章限定モンスターを撃破してもらおうということで作成された問題でした。
 4章限定モンスターといえばこいつといしにんぎょうですが、調べてみたところいしにんぎょうは複合出現が存在し、さらに4章ではまもののむれメッセージを回避するための手段(ニフラムやそろばん、風神の盾など)が存在しないので、単一グループのみで出現するつかいまのほうにしました。
 たーひゅさんとけったさんは道中で出現し、難なくクリア。hishiさんはコーミズ西の洞窟のオーリン加入前で単体エンカが2,3回で出現していましたが、倒さないと判断したのか逃走。その後道中で出現し撃破しましたが、報告画面のメッセージを飛ばしてしまい達成ならず。その後、ハバリアで結構粘った末に出現し達成といった様子でした。単体ならオーリン加入前でもどうのつるぎを残していればミネアの攻撃+メラで高確率で落とせるので、逃げずに倒しに行っていきたかったところです。

4.2.2. いどまじん

 こちらは固定モンスター枠として出題しました。いどまじんはイムル南の井戸の固定出現以外だと裏ダンジョンの通常エンカしかないので、実質的には想定解のみで達成可能となります。また、RTAの5章では訪れないバトランド地方へ行かせるという意図も含んでいました。ついでにいどまねきとこんがらがりそうで少し面白そうかなというのもありました。
 本番ではたーひゅさんがバルザック+撃破後くらいに撃破し、一番最初に達成。けったさんとhishiさんは気球入手後に撃破しクリアといった様子でした。けったさんはバトランドのたからのにおいを達成した流れでこの課題を達成しており、達成タイミングや手順としても完璧でした。

4.2.3. マネマネ

 こちらはDQ3ベビーサタンやバラモスエビルなどのように通常エンカでも撃破出来るが、固定出現も存在するというパターンでした。デスパレスのモンスターをこのパターンとして出題するのは最初から決めていたのでどれがいいか悩んでいたところ、通常 RTAではデスパレス内の道中でシンボルが見れず、おそらく一番印象に残らないマネマネに決めました。モシャスという一癖ある呪文を使うので、「モシャスを使われた状態で倒すと達成条件を満たさなくなるのではないか」という、プレイヤーのミスリードも狙っており、後で話を聞いたところ何人か引っかかっていたようです。通常エンカだと出現率が10%以下と、想定解以外だと時間がかかる可能性があるという点でも良かったと思っています。
 本番ではたーひゅさんが闇の世界の通常エンカで達成。口笛1エンカ目で見事マネマネ4を引き当てていました、ずるい(笑)。けったさんとhishiさんは闇の世界まで到達出来なかったのもあり達成ならず。デスパレスでの固定出現には3人とも気付いていなかった様子でした。誰かがデスパレスの祈りの指輪を回収していた気がするのですが、その道中にいるのでそれも素通りしてしまった様子です。

4.2.4. ピサロナイト

 RTAではおろか通常プレイでも倒されない可能性がある、ストーリーに関係ないボス。もちろん普段やらないことをやってもらうためにしっかり課題に組み込みました。プレイヤーも全員想定していたと思います。
 ボスとしては静寂の玉の入り具合によりますが、基本的には非常に弱いボスなので、二次王家終了後のレベルが上がりきった状態で行けばこのために戦力を整える必要はほとんどありません。ただし気を付けなければいけないことが以下の2つあります。

  • エスタークを撃破すると戦えなくなる。
  • 仲間呼びで出現するアイスコンドルを倒してしまうと、撃破条件を満たせなくなってしまう。

 割と致命的な落とし穴が2つもありますが、二次王家終了後であればアイスコンドルを飛ばすための風神の盾はアリーナが持っているし、予め想定できて一度戦ってみていればどちらも気付けるだろうと思っており、あわよくば引っかかってくれればと思っていました。
 本番ではたーひゅさんがなんとバルザック+撃破直後に戦いに行きました。たーひゅさんは1次王家でアリーナを落としてしまっていたので、その経験値の補填も狙ったのかとも思ったのですが、このタイミングだと風神の盾が未回収なので、この時点で「あ、達成出来ないぞ」と思いながら見ていました。案の定アイスコンドルを普通に倒してしまい、「まもののむれ」表記で達成出来ずでした。
それを見ていたけったさんとhishiさんは2人とも二次王家後に挑戦。hishiさんが先行して戦闘に入りましたが、たーひゅさんのを見てアイスコンドルを倒してはいけないということまでは把握していた様子ですがアイスコンドルを風神で飛ばす考えはなかったようで、なんとアイスコンドルを呼ばれない待ちリセゲーを開始しました。なおピサロナイトはローテーション行動で必ず3T目にアイスコンドルを呼んくるので、このリセゲーが通ることはまず無いです。そんなhishiさんがリセットした後にけったさんが挑戦し、「こうやってやるんだぞ」と言わんばかりの様子で風神の盾を使用していましたが、けったさんのアイスコンドルがなかなか飛ばず、後から戦闘に入ってけったさんの風神を真似したhishiさんが先に達成してしまうという何とも皮肉な結果になりました。この辺のやり取りはリアルでの対決ならではのもので、見ていてとても面白かったです。

4.2.5. デスピサロ

 一応最後まで進めてねということで出題しました。時間的に結構厳しくなってしまうので、ヘルバトラーにしようかデスピサロにしようかずっと悩んでいたのですが、尻にひかれ隊やたいりょく130、ダメージ350と合わせて最終パーティを悩ませたかったことからデスピサロに決めました。
 逆に言ってしまえば、このデスピサロを最初から切ってしまえば他の課題の達成は結構楽になると思います。更に闇の世界に到達してからデスピサロを倒すために約25分かかっての100点獲得なので、得点効率もそこまで高くないです。
 本番ではやはり時間が足りず全員クリアならずでした。

埼玉大学第66回むつめ祭 PS版DQ4お使いRTAを終えて その2

 PS版DQ4お使いRTA後日記その2。
 今回は各問題について、作成や意図などの裏話について書きます。

4. 各問題の詳細

4.1. 収集課題

 お使いといえば定番のアイテム収集課題です。プレイヤーとしてはしっかり準備しておけば取れる問題が多いように、配点も高めに設定しました。

4.1.1. ちからのたねx10

 恒例の1つの非売品アイテムを複数収集する問題。非売品アイテムの回収場所をしっかり抑えておいてねという問題です。種全種の問題と重複しているので命の木の実にしようかずっと悩んでいたのですが、ダメージ350とのシナジーを合わせて力の種に決めました。
 当初は15個の予定だったのですが、配点の割に時間がかかりすぎるとの指摘をhiroさんから頂いて、本番は10個に修正しました。10/19なので4,5章の金策にもほとんど影響しなくなり、比較的簡単になったと思います。
 本番ではけったさんとたーひゅさんが達成。hishiさんは途中回収していたのか見ていなかったのですが、時間がギリギリだったのもあり達成できなかったようです。

4.1.2. うまのふんx3

 こちらはボンモール北の村で購入できるのを知っていないと想定解で解けない癖のある問題です。これを知らない場合は移民を集めなければいけないので、プレイヤーが想定してくるであろう「移民の町を使わせる」というミスリードを誘う問題でもありました。
 ただしボンモール北の村で購入するとアイテム欄が非常に重要な3章においてアイテム欄を圧迫してしまうという問題があり、間違ってネネ転売に出してしまうこともあり得るので達成条件をどうしようか非常に悩んでいました。袋ではなく3章でも達成できるように設定しようかとも思ったのですが、その場合は作成データから数分で達成できてしまうため、誰かが想定解で達成したのを他プレイヤーが見てリセット入れて達成できるのを防ぎたかったので、泣く泣く5賞まで持ち越してもらうようにしました。
 本番ではけったさんのみがボンモール北の村で購入できるのを知っていたのでクリア、お見事でした。hishiさんは移民を集めて3つ目を入手する様子でしたが、間違ってネネの転売に出してしまったため諦めた様子でした。たーひゅさんも想定解には気づかず、その場合の回収コストの大きさから、この問題は切って進行を進めるのを優先した様子でした。

4.1.3. はぐれメタルよろいx3

 こちらも定番の金策問題。DQ3でいう危ない水着に相当する問題です。
 個数の設定としては実際に調べてみて、2個だとかなり余裕で買えるが3個だとメダル景品などももらっている上で少し足りないくらいだったので、金策になるアイテムをしっかり抑えているかどうかを確かめるためにも3個に設定しました。
 ミネアチャートを使用する場合は耐性よりも守備力が重要になってくる場合があるので、購入後そのまま勇者とミネアの装備としても使用できるようにしました。
 本番では時間が足りなかったため達成者はおらず。全体的に時間が足りなかったので、誰も解きに行けなかった問題がこれを含めて数問出てしまったのが今回の作問者側の反省点でもあります。

4.1.4. 「のたね」と付くアイテム全種

 これはかなり最初の方から思いついていた問題です。「誰か一人パテギアの種に引っかかってくれないかな」と思って作成しました。ちなみに条件を「たね」にしてしまうと聖なる種火が該当しどうやっても達成不可能になってしまいます。
 ちょうど回収が限られている賢さの種やラックの種もパテギア回収前のミントスで回収できるので、作ってみたらなかなかいい問題になりました。5章序盤で達成できるため、ポイントの動きを早くするのにも貢献してくれました。
 本番では全員パテギアの種にはしっかり気づいていて、けったさんとたーひゅさんが達成。hishiさんは揃っていたのですが報告をせずにスルー、後で聞いてみたところ「スタミナの種」も存在するため足りないと勘違いしていた様子でした。

4.1.5. 「鉄の」と付くアイテム全種

 一番の意図は通常RTAでは入手しない鉄の金庫を取らせることです。かといって、ただ鉄の金庫のみを入手する問題にしてもつまらないので、鉄のシリーズとして出題することにしました。
 問題を作った後に調査プレイをしていて、5章になると鉄のツメが購入出来ないことを知り、売却するとドロップ待ちになってしまうというちょっとした落とし穴になった感じです。しかし、そこさえ気を付ければほぼ間違いなく達成できる課題だったと思います。
 本番では3人ともクリア。しかし最初の報告時では鉄のおうぎを忘れていた人が多かった模様です。更にたーひゅさんはハバリアの武器屋で購入しに行くも武器屋が売ってくれないというところまでしっかりやってくれました。ハバリアの武器屋は4章限定で、5章になるとアネイルでのみ購入することが出来ます。

4.1.6. 「の杖」と付くアイテム全種

 お使いといえば絶対欠かせないメダル課題。メダル課題を設定する上で考えていたのは以下の事でした。

  • 回収数が多すぎず少な過ぎない(多すぎると制限時間を増やす必要が出てくるため)
  • (出来れば)課題達成に必要な数より少し多く集めると、進行が楽になったりする。

 以上を踏まえた上でメダル景品を眺めていて一番目に付いたのはメガザルの腕輪で、これが回収できるようにすると他の課題で主力パーティを通常RTAから崩させても楽になるので、これを取ってもらうように決めました。かといって直接メガザル2枚を課題としてもつまらないので、その直前の景品の天罰の杖にターゲットを決めました。更に天罰の杖だけ指定してもつまらないので、シリーズの流れで杖シリーズを集めてもらうことにしました。この杖シリーズの課題は2010年駒場祭のPS版DQ4ReTAでも出題されているため、過去問を勉強してきた人がしっかり得をするような意図にも沿うようになってくれました。
 本番ではけったさんがメダルや力の種の回収場所をしっかり抑えているだけでなく回収手順の最適化までしており、ここら辺はさすがReTAやお使いRTAを経験しているだけあっての調査量でした。しかし時間不足で全員達成することが出来ず、ここら辺も作問者としての反省として残る点でした。たーひゅさんは進行重視で初めから切っていた様子でした。hishiさんはよく見れていなかったのですが、あまり回収出来ていなかったように思います。

埼玉大学第66回むつめ祭 PS版DQ4お使いRTAを終えて その1

埼玉大学のむつめ祭で行われているRTA企画に参加してきました。
1日目はPS版DQ4お使いRTAが開催されましたが、自分は今回作問を担当させていただきました。

www54.atwiki.jp

ということで、裏話などを書いていきたいと思います。
問題や本番の結果などは上のURLから御覧ください。

1. きっかけ

 ニコ生で開催された第1回DQ3お使いRTAに出場させていただいたり、第2回DQ3お使いRTAではテストプレイヤーとして携わらせてい頂いたりといった中で、「作問も楽しそうだし一回やってみたいな」という思いがありました。そこで時間もそこそこ手頃で問題もそこそこ作りやすそうなPS版DQ4でできればいいなと思い、第2回DQ3お使いRTAが終わった頃にもう問題を考えていて、大枠はすぐに完成しました。最初はニコ生で開催しようかなとも思ったのですが、「これSTとかリアルの企画でやっても面白そうだな」と思い、8月くらいにあったBBQで御茶さんに提案したのがきっかけです。その後、御茶さんの方から「ぜひやりましょう」とお声掛けをいただいて開催が決定しました。

2. 問題を作るまで

 そんなわけで問題を作っていたのは第2回DQ3お使いRTAが終わった後の6月くらいで、問題は割りとすぐに出揃いました。
 複数アイテム入手問題として力の種、金策問題としてはぐれメタルよろい、メダル問題として杖が決定。普段RTAではやらないことをやらせる問題として鉄シリーズ(レイクナバ北の洞窟)、神の装備(角笛のほこら)、ピサロナイトが決定、通常のチャートを崩す問題として尻にひかれ隊が決定、その他いろいろしてほとんど今の問題になった感じでした。
 作問するにあたって一番気にしていたのは時間で、配信だとリスナーは途中自由に休憩挟んだり他の事をしたりできますが、リアルでやる企画ではそうも行かないのであまり長くしてしまうと絶対にダレてしまうだろうというのが危惧していたことでした。そのため制限時間の限度は5時間だろうなというのは最初に決めてあって、それに収まるように問題を考えていったつもりです。幸いリアルでやる分にはこちらでデータを用意できるので、運要素が激しくさらに問題を入れる余地が少ない2章を飛ばして、3章からのデータでやってもらおうということで解消することができました。

3. 本番までの準備

 御茶さんからお話を頂いた時点で既に問題がほとんど出来上がっていたので、まず問題を御茶さんに見ていただきました。その後2人でテストプレイや想定解の調査などをして、問題の修正や調整、配点決めなどを行いました。
 その後、11月頭くらいにナナカさんとhiroさんにテストプレイをしていただきました。ナナカさんはSkypeで実際にテストプレイ画面を見ながらやっていただきました。hiroさんにも当初テストプレイを依頼していたのですが、PS2本体の不調でフリーズが多発するということでとりあえず出来るところまでやっていただいた後に(3章終了まで)、問題を見た印象や想定解の解説を受けての意見などを頂きました。ナナカさんはテストプレイで410点、更にhiroさんにもプレイ時間の不足については指摘をいただき、これを受けて問題を減らしたり、個数を減らしたりなどの微調整を少し行いました。
 その後は配布用の各種リーフレットや解説スライドの作成、点数表のGoogleスプレッドシートの準備などを行って本番を迎えた感じです。


次回は問題ごとに作成の裏話的な話と、本番でのプレイについて書きます。
というわけで続く。

第6回底辺駅伝予選を終えて

2015年7月31日~9月6日まで、第6回底辺駅伝の約1ヶ月以上にわたる長い長い予選があり、ようやく終了しました。
自分はDQ3で参加し、結果予選2位で本戦出場が決定いたしました。
予選走行中は大分闇に落ちていたと思いますが、応援してくださった方々本当にありがとうございました。

com.nicovideo.jp

折角なので、予選に向けていろいろ考えたことや実際予選の走行中に意識していたことを軽くまとめてみようかなと思います。

1. 予選ルール発表を見た反応

大会開催告知とともに予選のルールが発表されました。
前回の予選ルールは簡単に言えば上位2割の平均タイムを競う物でしたが、今回はそれとはまったく真逆の下位2割を除いた平均タイムを競うものでした。
個人的には前回のルールを受けて、「6割くらい採用タイムにするのがバランス良いのかなー」とか勝手に考えていましたが、その予想を上回る8割採用で正直ビックリしていました。
このルールにおいてDQ3を走る上で考えていたのは、大体下のような感じでしょうか。

1.1. 対ゾーマ

あの予選ルールを受けて、DQ3の走者なら誰もが一番悩んだと思われる対ゾーマ
勝率の定説は葉2枚で80%以上くらい、落ちれば約20分のタイムロスという上位8割採用アベというルールに絶妙に絡んでくる一番の難所です。
きっと誰もがゾーマ落ちは15本中3本に納めなければ予選突破は苦しい」と思い、ゾーマ戦の安定を第一に考えていたでしょう。僕もそう考えてました。

1.1.1. そもそもこのルールでそれくらいゾーマ戦の安定を取る必要があるの?

そんなわけで「ゾーマ落ちちゃダメだゾーマ落ちちゃダメだゾーマ落ちちゃダメだ・・・」とそのままエヴァにでも乗りかねない勢いになるわけですが、今回競っているのはアベレージである以上「その安定取った結果のタイムロスがゾーマ落ちによるタイムロスの期待値より上回ってたらその戦術ダメだよね」って話になるわけです。
具体的に言えば、例えばゾーマ落ちで18分ロスると仮定して、勝率を8.33%(1/12)上げるために1分半以上のタイムを使ったら、それはこの予選におけるアベレージの結果としては悪化することが多いということになります。
そもそもゾーマ落ちの原因としてケアするにも非常に難しいパターン(打撃2連とか吹雪連発とか石先行とか)もある中で、どれくらいのタイムコストを払って安定を取るかが非常に難しいのです。
どうしても最大限の安定を取りたくなるところですが、上記のことは常に頭に入れて戦術を構築する必要があります。

1.1.2. ゾーマの安定策

ゾーマ戦の勝率アップに貢献すると考えられる戦術を挙げてみます。

  • スクルトをなるべく入れる
  • ダメージソースを多くする
  • 味方の最大HPを高くする
  • 賢者の素早さを高くする

まず上2つの戦術ですが、これらは見事に相反することになります。
スクルトを入れなければ前列打撃2連や後列打撃吹雪で死亡するケースが増えますが、ルカニバイキルトや魔戦を動かすことによってダメージソースを稼がなければ吹雪2連や石先行、賢者後攻、後列打撃2連などで死亡するケースも増えてしまいます。
この絶妙なバランスがゾーマ戦を最も難しくしている要素だと個人的には考えています。

しかし、下の2つに関しては絶対的な安定をもたらします。
特に最大HPの高さは耐久力という点でも貢献しますが、ルカニの選択を後押ししたり、魔戦が動きやすくなるなどダメージソースを稼ぐという点でも大きく貢献します。またダメージソースが大きくなるため、HPアップに多少のコストを掛けてもゾーマ戦の時間短縮によりタイムを回収出来る場合もあります。

上記の考えから、ゾーマ戦の勝率に関してはパーティメンバーのHPを高くするという手段で安定化を狙うことに決めていました。

1.1.3. 経験値・レベルプラン

上記のHP確保のために、経験値プランは以下のように設定していました。

  • 魔戦は鉄人orタフガイのみ採用し、最終Lv22を基本的に徹底する。
  • 純戦はガルナの搭で既にHP上昇に不安があれば、Lv14~15程度まで上げてから間引く(最終Lv23意識)
  • 勇者はガルナの塔でLv19まで上げてから間引き、最終Lv25を基本的に徹底する。

魔戦と勇者に関しては、レベルに対する最大HPの期待値を見てみればその効果が目に見えてわかると思います。
特に魔戦は性格補正が0.1倍変わるごとにLv22時のHPが18程度変わります。
ただしタフガイは1/3で仲間作成に時間を取られる可能性があるため、鉄人orタフガイの2/3採用しました。
これなら吟味する必要もあまりなく、魔戦の最終HPが300前後にはなってくれるため、木の実を他に回せたりといろいろ恩恵があります。

  • 魔戦
Lv タフガイ 鉄人 頑張り屋(ヘビメタ進行)
21 300 282 264
22 316 298 278
  • 勇者(スタミナの種2個平均値を含む)
Lv 最大HP
24 198
25 208

勇者はガルナの塔でLv19を入れることによって、Lv19の成長値に怠け者の補正がかかる上に勇者Lv25の必要経験値が魔戦Lv22+1912Exp以下に調整できるようになります。
勇者Lv19まで入れて次のメタルエンカで間引くと魔法使いLv20がほとんどのケースで入り50%でヒャダルコを習得できるので、勇者がいないことによる雑魚処理の減速も抑えられるので個人的にはおすすめです。
ただし盗賊Lv20到達のために勇者を間引いてしまった場合は、必ずしもこの調整は意識しないことにしました。

純戦に関しては、特にHPが問題なければガルナはメタル1エンカ分だけ経験値を入れ、Lv13程度で間引きます。
これはボストロール~バラモス戦のHP確保のほか、後述するバラモスブロス戦純戦Lv22調整のためです。
HPに不安があり最終Lvを23まで上げる可能性を残す場合は、Lv15前後まで上げて間引きます。
これにより魔戦Lv22や勇者Lv25から0~1エンカ分程度の経験値で純戦Lv23を入れることが出来ます。

1.2. 対バラモスブロス

ゾーマばかりに気を取られがちですが、バラモスブロスも忘れてはいけません。
バラモスブロスによる死因は大体以下の3つです。

  • 石先行
  • 3回行動全体攻撃連発
  • 炎が絡む全体行動連発

石先行なんかはどうしようもないので除きますが、大体純戦から落ちるか賢者から落ちるかです。
賢者の炎耐性は水の羽衣以外に上げることができないので、純戦の耐性を強化するか回復ソースを増やすかしかありません。
ということで、考えられる対策は以下の3つ程度に絞られます。

  • 魔法の鎧や地獄の鎧で純戦の呪文耐性をさらに強化する。
  • マジカルスカートを装備した魔戦に賢者の杖を渡し、回復ソースを増やす。
  • HPを高くする

呪文耐性強化にはどうしてもその分の金策や、魔法の鎧の場合は購入時間、地獄の鎧の場合には反射ダメージが無い、ゾンビ戦の原則などによって1分程度のコストがかかってしまいます。
2つ目の対策は割とお手軽に出来ますが、アサシンカットの選択がほとんどなくなるほか、魔戦の行動順が安定せず確実に安定になるとは言えないのがネックです。
また、炎が多いブロスに対しては結局どうすることもできません。ドラゴンメイルを買えば純戦の被ダメは減らせますが、それよりは行動確率の多いイオナズンを対策するのがセオリーでしょう。

ということで、ブロス戦に関しても純戦Lv22をブロス前に確実に入れることで、最低限の安定を取る形に落ち着きました。
これによって勝率がどれだけ変わるかは微妙ですが、勇者Lv25調整のついでという感じです。

1.3. その他細かいところ

その他細かいところとしては、

  • バラモス戦魔戦Lv12の徹底(といってもネクロで1エンカ程度狩れば入るけど)
  • 祈りは2つ購入、アサシンカットは出来ればどんどんする(ただしバラモス撃破までに破損が出たら岩山で回収)

くらいでしょうか。
魔戦のLvはおろち戦でも影響が大きく出るほか、結局最終Lvのために経験値が必要になるので、ネクロでは無理して逃げ打つ必要はないと思います。



まとめると「なるべくLv高くしようぜ!」という簡単な結論ですが、それでも意識するのとしないのでは安定度は大きく異なってくると思います。
これくらいの経験値稼ぎなら基本的に出てきた敵をしっかり食っていれば入るので、無理してエンカウントを増やす必要とかは全くありません。
DQ3の逃走成功率の低さ、賢者の杖による戦闘中MP0回復の存在などもあって、一発勝負では無理に逃げても効果はあまり期待できないと思っています。

あとカギとなるのは、ニフラムで飛ばせる敵の対処でしょうか。
よくある例としてはバルログとソードイドの複合エンカの場合。賢者はバルログへの魔封じに回らなければいけないため、ニフラムを打つのであれば勇者になりますが、
基本的に賢者以外は後攻するため、勇者でニフラムするのと倒しに行くのでは時間差がほとんどなくなり、倒して経験値を入れるのが得策であるといえます。
(ただしもう1体アークマージがいると話がまた変わりますが...)

ちなみに並走などで競っている場合でも、この「出てきた敵は基本的に狩ってLv高くしよう、そのおかげでゾーマ加速したらラッキー」戦法は非常に優秀だと思っています。
タイム加速がゾーマ戦になるので、攻めるか守るかの判断を後に遅らせることが出来るほか、受けた運に対して自然にタイムが加速するなど安定を確保しつつタイム加速も狙えます。
エンカがデレたらデレたでその分のタイム加速をそのまま受ければいいので無茶する必要がないです。


ということでこんなことを考えていて走っていましたが、その結果予選15走中ゾーマ2乙、バラモスブロス0乙でした。
バラモスブロスに関しては単純に運がよかったのが大きいと思いますが、ゾーマに関しては高HPが活きた場面がかなりあったと思います。
(特に純戦Lv23調整をして助かった走りが2回ほどありました。)
後半も1:28前後で走れていたので、タイムも犠牲せずに済んだと思っています。