きほんはまる?

DQRTAについていろいろ書いていきます。こっちでは最低限のアウトプットには書かれない細かい話がメインです。

PS2版DQ5お使い企画参加記

2020/7/12(日) に開催された、PS2DQ5お使い企画に走者として参加しました。結果は1033点で、めでたく優勝することができました。

事前準備

直近で開催されたSFCDQ5のお使い企画を見て参加したい欲が高まっていたので、募集開始直後に参加表明をしました。 参加表明をしたのが2020/6/8だったので、約1ヶ月間の準備期間があったことになります。 ちなみに、この時点では日時以外の情報は完全に未定でした。

概要発表前の準備

自分は過去に下記のお使い企画に携わっていたので、頻出の出題傾向とその対策はおおよそ把握していました。

  • 第1回SFCDQ3 (走者)
  • 第2回SFCDQ3 (テストプレイ)
  • 第3回SFCDQ3 (テストプレイ)
  • PS版DQ4 (作問)

モンスター討伐課題

ニフラムや風神の盾で敵を消しても「まもののむれをやっつけた」と表示されてしまうことは、調査プレイの時点で把握していました(カジノ非使用のはぐれ狩りでも目に出来ると思います)。このことから、おおよそ次のことが予想出来ました。

  • ニフラムを使用できるキャラの需要は無い(特にスラリン)
  • ランダムエンカウントを対象に出題される可能性がそもそも低い
  • 固定出現かボス(即ちストーリー進行問題)が指定される可能性が高そう
  • 期間限定モンスターは抑えておく必要がありそう

とはいえ、不安だったのでランダムエンカウントの対策はすることにしました。エンカウント率を調査した偉大なサイトは既にあるのですが、今回の場合は「単一グループまたは単体エンカで最も出現する可能性が高いのはどのエリアか?」というのを把握しておく必要があり、このサイトの情報では不十分だったので、エンカウントテーブルとエンカウント決定処理を調査しました。

幼年期限定のモンスターに関してはすごろくを使えば遭遇できる可能性があるので、こちらも実地調査しました。青年期前半終盤になっているであろうLv14あたりは幼年期限定のモンスターが多い氷の館~古代の洞窟あたりのモンスターが出現するので、もし出題されるとしたらこのタイミングですごろくに行くことになるだろうと考えていました。ただ実際やってみるとエンカウント構成を含めてかなり運要素が高かったので、出題される可能性はかなり低いと見込んでいました。青年期前半限定は海で出現する4種が該当するので、これらのモンスター名は抑えておきました。

アイテム収集課題

おなじみのアイテム収集課題です。作品特有の要素に関連して出てきそうなお題は下記辺りでしょうか。

  • ちいさなメダルの枚数、及びその景品
  • すごろくけん、ふくびきけんの枚数
  • 名産品の指定、または名産品博物館のLvまたはポイントの達成
  • すごろくで手に入るアイテム

回収限定アイテムに関しては、いつものように通常RTAに各アイテムの回収を組み込んだ上で最適化したチャートを組んで練習していました。名産品博物館については、出題にあたって良いラインになりそうなLv4達成のための名産品配置を作っておきました、エルヘブンまで到達出来れば達成できます。

アイテム欄の配置問題については全アイテム名をMarkdownファイルに保存しておいて、正規表現で検索出来るようにしておきました。これは本番でもとても役に立ったので準備しておいて良かったです。しりとり問題もプログラムを組んで対策してあったのですが、こちらは日の目を浴びることはなく少し残念でした...

ステータス達成課題

こちらも頻出の問題。PS2DQ5の全Lvについての正確な成長テーブルと成長値決定のアルゴリズムの情報は自分が検索した限りではどこにも無かったので、自力で全仲間キャラクターの成長テーブルを調べることにしました。あとはこれを元に、指定されたステータスを達成するためのキャラクターとレベルを検索出来るようにしておけば事足りるであろうとの考えでした。こちらも本番で役に立ったので、準備しておいて良かったです。

メッセージ問題

モンスター討伐課題が作問しにくい分、こちらが出る可能性が高そうだなと見込んでいました。SFC版の全テキストデータは手元にあったのでそれで検索出来るとして、PS2版で追加されたテキストデータをどれだけ調べておけるかが重要でした。こちらはさすがに解析する気力が残っていなかったので、調査プレイで抑えることにしました。本の内容はPS2版でかなり追加されている上に、その内容も面白いものが多かったので、重点的に抑えていました。にも関わらず本番で1問見逃してしまったので、勉強不足でしたね。

仲間モンスター問題

DQ5ならではの問題ですね。取り敢えず全モンスターについて下記を調べておきました。

  • 一番低い主人公のレベル(同時に一番早い進行度)で仲間に出来る場所
  • 最も出現率が高い場所

また、「せっかく課題のために仲間にしたモンスターを有効活用してクリアしてね」という作問の意図が同時に含まれる可能性も高いです。とはいっても、仲間にすることを前提にしても良いのはせいぜいツモ率1/4以上のモンスターだけだと思うので、これらについては特にピックアップして簡単に戦術を考えておきました。並べてみるとやはりヌーバが一際光っていたので、ヌーバチャートは2回くらい練習しておきました。

すごろく問題

ゴール景品、途中のマスで拾えるアイテム、よろず屋で購入できるアイテムなどが指定される可能性が高いので、一通りプレイしておきました。過去のDQ3での経験からも、どれくらいの確率でゴールできるかを把握しておくこともとても重要です。

概要が発表された後

2020/6/28に企画の概要と事前データの条件が参加者向けに公開されました。青年期前半開始時からスタートでプレイ時間が5時間であることもこの時点で公開されました。

ルールの穴に気付く

事前データの条件を読んですぐに、銀行のお金とカジノのコインに関する指定がないことに気が付きました。データ作成の報告時にゲーム画面のスクリーンショットを送る必要があったのですが、全員のつよさ画面(どちらもこの画面で確認できる)はスクショの指定に無かったので、最大限活用させてもらうことにしました。一瞬は大人気なさからのためらいが頭をよぎりましたが、勝負である以上勝てるための最大限の努力をするのが定石なので仕方ないですね。直近開催されたSFCDQ5のお使い企画ではこのあたりを詳細に指定して妨げてあったにも関わらず今回は記述されていなかったので、それも自分の中で実行を決断する後押しになっていました。

カジノ技使用RTAの練習

そんな経緯でこのお使いRTAは実質的にカジノ技使用のレギュレーションと化したので、カジノ技使用RTAの練習を始めました。企画概要が発表されてからの準備のほとんどはこれに時間を費やしていたと思います。これまでカジノ技使用RTAの経験が全く無かったので、ping値さんのチャートを参考にさせていただきました。そこからの相違点は下記のような感じです。

  • 先ピエ前提 (カジノ技非使用に比べて先ピエツモのリスクがかなり低い & ボロンゴを加入させない分ピエの素早さが重要になるため)
  • ボロンゴは加入させても良いようにする(お題によって加入ロスが殆ど無くなる場合があるので)
  • 交換景品の内訳は当日の流れで決める

当日の様子

本番当日の調査時間

予想より課題数がかなり多かったというのがお題発表時の第一印象で、問題を把握するだけでもかなり大変でした。 全体を眺めて、進行度は天空城浮上あたりまでに設定。ボロンゴ禁止についてはカジノ有りのおかげで特に痛手はありませんでした。

1. モンスター討伐系

前3問から進行度を優先するのが大事そうかなという印象。 ランダムエンカ系(ドラゴンゾンビ、マムー)はそもそも出現するエンカウントテーブルが少なかった(ドラゴンゾンビは2箇所, マムーは1箇所)ので、狩り場所も即座に決定出来ました。

2. アイテム収集系

ひとカネやきにくと杖6種類はアイテム一覧を正規表現で検索してピックアップ。事前の準備がとても活きました。 他は全部分かっていたので、アイテム収集系については特に不安はありませんでした。

3. メッセージ系

これが一番調査が重かったです。調査時間中の判断は以下のような感じ。

  1. SFC版のテキストデータから最果てのほこらであることがすぐにわかった。
  2. 同上 。
  3. コリンズイベント時のタバサのセリフかなという予想のもとググったら大百科でヒットしてビンゴ。
  4. これはググっても出てこず、完全にお手上げでした。
  5. 山奥の村かなというあたりをつける。
  6. 名産品周りの調査時に見ていたのでわかった。一覧を見てシルクのヴェールが必ず手に入るのでこれに決定。
  7. これもググったら大百科でヒットして分かった。
  8. これは知ってた。
  9. 取り敢えずはお手上げ。
  10. 直近のSFCDQ5のお使いでも出題されたので分かる。

4. ステータス系

  1. ステータステーブルを検索した結果、娘Lv18が一番確実そうという見込み(このときは木彫りの女神像に気付いていなかった。)
  2. 同上、瞬時にザイルがヒット。
  3. テルパドールにいきま〜す。

5. 仲間モンスター系

5.2は得点効率が高かったので、達成優先度は上がるだろうという見込みでした。ちなみに僕は得点換算を勘違いしていて、2種達成で10点、3種達成で20点、4種達成で30点だと解釈していました。実際はこれより高い配分だったので、もっと優先度を上げるべきでした。

6. すごろく

カジノ船までは現実的な確率でゴールできるのを知っていたので、クリアしておきたいなという印象。

7. カジノ

知らん、運要素も絡むので後回し。

8. その他

  1. すぐにクリア可能。
  2. ググって調べる、調べると娘が装備可能だったので装備者含めて決定。
  3. ググって調べる。
  4. アイテム名一覧から検索してピックアップ
  5. ググったらゆうれいせんちょうがヒットして、「あ、青年期前半限定だな」と瞬時に把握。ただエンカウントテーブルを調べてみると単一でのエンカ率は1/15とかなり低かったので、狙うつもりはあまりありませんでした。

実際のプレイ

青年期前半

まずは銀行から99万Gを引き出して8.1達成。続いてカジノの景品交換、今回は想定進行度と相談して下記のアイテムを交換しました。

防具を固めてアプールとピエールのツモ開始。アプールツモ中にマッシュが起き上がったので、4人目が自然に補填出来てとても助かりました。先行逃げ要因が増えるのはとても大きいです。

サンタローズの洞窟ではメタルスライム1匹を撃破。道中でスライムとブラウニーを加入。脱出時に8.4達成に必要だった「サンタローズの石」を回収。

サンタローズの洞窟攻略後、3.2達成、レベルアップロスの削減、マッシュの武器(刃のブーメラン)購入のため一度オラクルベリーに寄りました。

ラインハット到着時に2.7達成に必要な鉄の杖と、8.4に必要な毒針を購入。

その後は進行度を優先しながら道中でメダルと名産品を回収していきました。3.4が全く分からず、神の塔内で達成できる期間限定課題だったらどうしようと不安になりつつも進行。

ひとくいばこは魔物の住処に行くにはロスが大きいのと、順位点がそこまでないので様子を見つつロスが少ないグランバニア山の洞窟で撃破することに仮決め。実際に住処にいったのはみるきぃさんだけだったので、グランバニア洞窟撃破でも2位で達成することが出来ました。

ルラフェン道中でドラキー加入。ルーラ習得後に3.7を達成し、暖簾購入のついでにオラクルベリードラキーを預ける。

サラボナ到着前にベロゴンがにおいぶくろをドロップ。2.5のアイテムにピックアップしていたので、購入時間が省けて地味にラッキーでした。

溶岩原人戦でけったさんを進行度で抜き、1位になりました。溶岩原人後にリレミト習得。滝の洞窟へはちゃんとビアンカを連れていきました。葉っぱは大量にあるので、道中で死んでも全く問題はありません。後で各走者のプレイを見返していたら、けったさんが「俺は葉っぱ持ってるから安心。Maruのビアンカ○ね!」「あっ、アイツも葉っぱあんじゃねえかよクソが!」と言っていたのが個人的なツボでした。

チゾットへの山道へ向かう途中でゆうれいせんちょうx1と遭遇。先攻で撃破したので、仲間を呼ばれることもなく無事撃破することが出来ました。今日に限っては良いエンカ!

プレイ中に3.9のメッセージがラインハット地下で聞けるセリフ周辺にあることを確認したので、青年期前半終了前に地下に行きました...が見つけられなかったので、この問題は捨てました。デモンズタワーで恐る恐る焼かれた頭蓋骨を調べるも「特に変わったところは無いようだ」と表示される始末。

ジャミ撃破は2:50:28。約2時間を残して青年期後半に突入しました。

青年期後半

イベント中に後半のプランを考えて、まずは天空城浮上まで進行度を進めることに決めます。そうすると残りが1時間ちょっとになるので、その時間でお題を次々クリアしていくプランです。4.1のために娘のLv上げが必要なので、爆弾石or爆弾アプールで道中で経験値を若干稼いでいくことを決めました。

操作開始直後はステテコパンツに気を取られたのといつもの癖で即闇のランプを使用してしまい、爆弾石の購入を忘れます。その結果海の神殿でしびれくらげx8が4エンカも出たのでちょっともったいない気分でした。

3:46:25で天空城浮上。進行度は進めきったので、ここらへんから残っているお題を片っ端から達成していって、終了という感じでした。 3.5の回収のためにチゾットへ向かっている途中で木彫りの女神像の運の良さ+15を思い出して、娘に装備させて無事達成。このお題は全走者の中で唯一自分のみが達成することが出来ました。

特筆することとしては、残り時間10分程度で妖精界のすごろくに行ったり、聖なる原石を回収しにいったり、ヌーバツモを狙いに行ったのは悪手でしたね。おばけキャンドルツモを狙いに行くのが正解だったと思います。

感想

ルールの穴を突いて大きいアドバンテージを得ておきながら負けたらシャレにならないので、まずは優勝できて良かったです。

銀行・コインのアドバンテージはやはり大きかったと思います。純粋に進行が速くなるのはもちろん、ボロンゴの代わりの戦力や6万Gの準備などを全く考えなくていいのは、プレイ中の思考リソースの削減の面でも恩恵は大きかったです。あとはマッシュが起き上がってきてくれたのはかなり大きい助けになりました。

とはいえ単純にズルだけで勝ったわけでもなくて、過去大会参加の経験と事前の準備もちゃんと活きていたかなと思います。調査や当日の検索準備などで、地味なITスキルを活用した恩恵もありました。前回の参加は3年以上前なので、3年間の社会人生活で技術力()も若干向上したのかなということで前向きな捉え方をすることにします。

一方で、完全にお手上げだったメッセージの2問は悔しかったですね。勉強不足でした。

また今回を機にカジノ技使用のチャートを初めて触ったので、RTAとしてもプレイしてみたいですね。やりたいことが多すぎる...

作問と企画頂いたがくしんさん、企画・開催をサポートしていただいたPSSWリレーの運営の方々やお手伝いの方々、対戦相手のお三方、そしてリスナーのみなさま、楽しい大会をどうもありがとうございました!やっぱりお使いは楽しいですね!

事前データの条件について

今回の企画で大きいトピックスになることは避けられないと思うので(自分のせいですが)、自分の見解を記述しておきます。

今回の企画に限って言えば、ミラーを見ていると「運営も一応想定はしていた」ような発言があったので、厳しいことを言うようですが、純粋に文章力不足が原因だったと思います。自分がプレイ中に銀行やカジノを利用したときに、事前データ作成の条件時の文章からルールへの抵触への精査をしていたようですが、あの文章では「銀行とカジノを利用してはいけない」という言及をすることは明らかに不可能です。先述しましたが、直近開催されたSFCDQ5のお使い企画では詳細に記述されていただけに(それでもひかりのドレスを大量準備したり、ビアンカのLvを上げていたりというケースがありましたが)、今回の大会で唯一残念だったところでした。

次に一般的なケースについての話です。まず事前データの利用の是非についてですが、長時間作品では競技性を確保する観点から利用するのを考えないわけにはいかないと思います。

次に事前データをどう用意するかについてですが、下記の2つの手法が選択肢となるでしょう。

  1. 事前データを運営が作成し、事前にROMやメモリーカードを配布しておく。
  2. 今回のように、各プレイヤーに作成してもらう。

公平さの担保の面では1が良いでしょうが、本番までにセーブデータが消える場合などを考えると、これも完全な対策とは言えなさそうです。

とすると、愚直ではありますが、下記の2つの事項をしっかりとやるしか無いかなと思います。

  • 事前になるべく多くの人数でデータ作成の条件とその文章についてしっかりレビューしておいて、想定の漏れがないか確認する。
  • 事前データの確認事項を増やす。例えば今回でいえば、全員のつよさ画面のスクリーンショットを共有するようにすれば防げたはず。

今企画を受けて注釈を付けることで回避する案も出ているようですが、そもそも運営への確認をするかどうかは個人の認識に完全に依存している上に(つまり、そもそもルールの穴だと思わなかった時には何の効果もなさない)、プレイヤーにとって不利益が大きすぎるので個人的には否定的な見解です。

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2020/7/19(日) 10時からRTARacingさんのチャンネルをお借りしてPS2DQ5カジノ技非使用RTAの並走を行います。

  • 走者1: ping
  • 走者2: Maru
  • 走者3: けった
  • 走者4: がくしん
  • 解説: BANRI, アジー

走者・解説ともに豪華メンツでお送りします、是非ご覧ください!

Appendix

準備の過程で得られた下記データを公開します。